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2015年06月22日 更新

コーヒー豆の焙煎で、買ってくれるお客さんも、作り手もどっちも幸せな気持ちになれる

コーヒー食堂レインボー 竹内 裕治

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岡山県にある、 コーヒー食堂レインボー 竹内 裕治さんに、お話を聞いてきました。

1店を始めたきっかけ

丸尾

竹内さんは、レインボーというカフェをなさっていますが、お店をやろうと思ったきっかけを教えていただけますか?

竹内

僕が京都からここに帰ってきて、店を始めたきっかけというのは色々あるのですが。一番の理由というのは、反骨精神みたいなものですかね(笑)、“人がやってないこと”をしてみたいという考えです。

丸尾

以前は、京都にいらっしゃったのですね?

竹内

京都でも、働いていたところのオーナーに、独立をすすめられたことがあります。そのまますんなり進んでいれば京都でやっていたと思うのですが・・・『いや、なにか違うな』と感じました。
オーナーにしかれたレールにのって、そのままやるのも嫌で、後悔したくないと思ったので、あえて地元でやろうと思ったんです。それが最初のコンセプトですね。

城下町の一角にある。コーヒー食堂レインボー(津山市山下)

2おばあちゃんが来れるところで、店を開きたかった。

丸尾

津山の中でも、色々な場所があると思いますが、お店を出されたのは何かここに想いがあったのですか?

竹内

たまたま縁もあったのですが、一番の理由は、ぼくのおばあちゃんが80歳くらいなのですけど、おばあちゃんが来れる、行動範囲内でできたらいいなと思ったのです。

城西通りを越えたくなかったんですよ。そして、宮川を渡りたくなかった。おばあちゃんが、なんとか自転車か、歩いて来れる範囲で、お店をやりたかったんです。実家が福渡町と言って、徳守神社のそばですけどね。

丸尾

ここからですと、奴通り挟んで向こう側ですか?

竹内

そうです。昔、錦映という映画館があった辺りなんです。ここだとなんとかおばあちゃんの行動範囲内だなと思って、ここでお店を開きました。

3就職活動のレールに違和感。とにかく住む場所だけ見つけて京都へ出た・・・しかし

丸尾

高校まで、津山市だったのですか?

竹内

僕は高校卒業後、美作大学の短大へ進学しました。栄養学科の一期生だったのですが、栄養学科って男子全然いないんです(笑)クラス40人中、男子2人でした。
その頃に、先生達からは『栄養士になれ、栄養士になれ』と言われ、卒業後は施設で働くとか、病院で働くとか、そういう就職活動のレールがありました。

僕も最初は、そういうものなのかなと思っていました。就職活動として履歴書を一回だけ送ったんですけど、なんだか違うなと感じました。

おもしろくなくなって、栄養士の資格もいらないって。卒業の単位は取れていたので、形だけ卒業しました。就職活動もせずに、京都に行きました。勝手に京都行って、なんとか京都に住む場所だけ見つけて、仕事は何も見つけてなかったのですけど、「とりあえず、京都に行く」って先生に言って、そのまま卒業しました。

一杯一杯丁寧に、淹れられたコーヒー
丸尾

京都にした理由は、何かあったのですか?

竹内

実は、曖昧なんですが、イメージとして大阪は苦手だと思っていたのです。ガヤガヤしてるイメージがあったのもあります。それから東京は遠い。それに僕はあまりビルがいっぱい建っているのが好きじゃなくて。京都は、場所も遠くないし、ビルがたくさん建っているイメージも少なかったので、京都に決めました。

あと、京都は仲良かった友達が大学で行っていました。友達がいるっていうのも、大きな要因だったのかなと、今になって思いますね。

丸尾

そのころから、コーヒー屋さんで働かれていたのですか?

竹内

僕はその時から、コーヒーに興味がわき始めてたので、とりあえずコーヒー屋さんで勤めるつもりで行きました。しかし1年働いて、なんか僕の気持ちが変わってきました。“栄養士を持っていたほうがいいんじゃないか?”と思ってきたのです。

“栄養士”と“フードスペシャリスト”という資格があって、その2つを大学で取らずに、僕は京都に移ってしまったのです。でも、京都で働いているうちに、やっぱり必要だったなと思い、1年後に津山に戻ってきました。そして資格を取得して、再び京都に出ました。

そして「あのお店で働きたいな」という目星はつけていたので、そのお店に直接、「面接してください」ってドアをたたいたんです。

カウンターから見た店内。素朴で落ち着いた雰囲気

4豆を買いにいくという口実で、話を聞きにコーヒー屋さんに通いつめた。

丸尾

それで、カフェで働くことになったのですね。

竹内

そうです。それが、先ほどの独立を薦められたオーナーのいる系列のお店でした。そこで、4年間働いていました。本当は、コーヒーの焙煎をしてるところで働きたかったんですが、ずっとカフェで、それもキッチンでした。

「まぁ、いっか。」って思いながら、休みの日に気になるコーヒー屋さんに通いつめてました。通うっていうよりは、話すために行ってました。

なかなか教えてくれないんですよ。働かせてくれないし。とりあえず、豆を買いにいくっていう口実で、行く度に2、3時間ずっと話してました。そうしたら、大分いろいろ教えてくれるようになりました。僕は、その人のことを心の師匠だと思っています(笑)

丸尾

なるほど。そこで今につながる素晴らしい出会いをされたんですね。

竹内

僕はその人に出会うために京都に行ったのかな、と思えるぐらいです!

自家焙煎されたコーヒー豆が並ぶ

5おばあちゃんに囲まれると、話す事が想像を越えていました(笑)

丸尾

店を出すって、簡単なことではないと思うのですが。

竹内

そうですね。僕は京都にいた時もそうでしたが、どうしようかなと思った時に、いつもする作業があるんですけど、心を沈めるためにお庭に行くんです。

庭を眺めて、色々考えるんです。その時、一番長くて4時間、考えて考えて、色々考えてたら、何も考えなくなったんですよ。その時に、「あ、なんとかなるだろう」って思ったんです(笑)

津山に帰ってきて、色んな問題があったんですけど、なんだかんだで、なんとかなりました。色々プランはありますが、プラン通りになったことはほとんどないです。

丸尾

やってみないとわからないですね。

竹内

津山を出ていたので、知り合いもいなかったし。今でこそ津山で知り合いもできましたが、帰ってきたばっかりの時は、なにもわからなかったから、よかったのかなと思いますね。なんとか3年間やってみて、本当にここでやってよかったなと思います。

丸尾

よかったなと思うことは、やはり人の繋がりですか?

竹内

もちろん、そうですね。さっき言った、おばあちゃんの話なのですけど、おばあちゃんが、おばあちゃんの友達を連れてくるんです(笑)

丸尾

以前、僕もここでコーヒーを飲んでいた時、竹内さんのお知り合いのおばあちゃんが入ってこられて、コーヒー飲んでいて、その時「すごいなー」と思いました。

竹内

僕も最初は、「すごいなー」って思ったんです。そういう場所になればいいなと思っていたんですけど、なってみると大変です(笑)
今まで、あまりおばあちゃんの相手をしたことなかったので、こんなにおばあちゃんに囲まれると、話す事が想像を越えていました。年金の話、誰かが亡くなった話など・・・口では、おばあちゃん達に来て欲しいって言っていたけど、そんなに生易しいものじゃなかったです(笑)でも、すごくおもしろいです!

6師匠から受け継いだ焙煎機。質の悪い豆をお客様に提供するわけにはいかない。

丸尾

豆にも、すごくこだわりがあるとお聞きしたんですが、どういったこだわりなんでしょうか?

竹内

僕が一番コーヒー豆にこだわってるのは、鮮度ですね。 焙煎してから10日以内に飲みきるっていうのをめどにしています。それ以上保存しなければならなくなる量は、焙煎しないと決めているので、考えながら焙煎しています。

丸尾

焙煎もご自身でされるのはスゴイですね!?

竹内

そうです。京都で知り合ったコーヒー屋さん、僕の師匠に焙煎機を譲り受けたんですよ。譲り受けたというのも、売ってもらったってわけじゃなくて、すごく京都風の言い回しで、「あげるとは言いませんけど、まあ使ってください」って(笑)

それからは、自家焙煎をしています。それまでは、そこのお店から豆を仕入れていたんですけど、焙煎機を譲り受けてからは、自家焙煎を始めました。師匠と約束したわけじゃないんですけど、質の悪い、鮮度の悪い豆をお客様に提供するわけにはいかないので、そこは気をつけています。

京都の師匠から受け継いだ焙煎機で焙煎。豆の状態を逐一確認しながらの作業。

7焙煎してから、確実に劣化が進む。だから鮮度が大事。

丸尾

生豆を仕入れて、そこから焙煎するんですね?

竹内

袋に入っている生豆を仕入れているのですけど、僕はそこから選ってるんですよ。 豆って船で運ばれてくるので、その間、船の中が暑くなるんです。
だから、船の中で豆に虫がわいたり、カビがわいていたり、石がはいっていたりするんですよ。そういうのを取り除くために、一回バットにいれて、選る作業を内職みたいにやってます。

丸尾

それを焙煎されて、お客様に鮮度の良い状態で提供すると。

竹内

そうです。最近、コーヒー教室などやらせてもらっているんですが、その時に皆さんに口をすっぱくして、「本当に野菜と一緒です。真空パックしたら、長持ちするとか、そういうものでもないんですよ。焙煎してから、絶対に劣化は進んでいるので、なるべく早めに飲みきってください。」って。

丸尾

それが、すごく大事なことなのですね。

竹内

そうなんです。お店をしている以上、それによって僕も自分の首をしめているような気もするのですが (笑)

焙煎したてのコーヒー豆。時間、温度少しの差で味に違いがでる

8ここ津山でコーヒー豆を焙煎して売る。3年越しの想いがカタチに。

丸尾

また、違う店舗を出されるというお話を聞いたのですが。

竹内

違う店舗を出すというのではないのです。僕は、この店の今のスタイルに特別なこだわりがあって、始めたというわけではないんです。津山で、コーヒー焙煎がしたかったんです。津山でコーヒーがしたいって言った時に、色んな人に「津山でコーヒーなんかできないよ。」とか、「誰も買わないよ。」みたいな厳しい事を言われたんですけど、「そんなことない!」と思ってやってみたら、実際簡単じゃなかったんです。

だから、カフェスタイルにして、料理も出すというスタイルにしたんです。その時期が、落ち着いてきたので、もう料理を出すことを少しづつ減らして、豆を焼くことに力を入れたいなと思って、家を引っ越したんです。

引っ越した家で豆を焼いて、豆の販売をしようと思ったのです。それで、新店舗ってわけでもないのですけど、3年越しの想いが実り、自分がやりたかった店を開くことになりました。

その引っ越した家が、本当にイメージ通りだったんです!土間があって、あがり間口の部屋が長くて、「ここで、店をできたらな。」、「こういう店、京都にあったなー!」って思っていたのです。有り難いことに、豆も少しずつ売れてきたので、「思い切って、ここは豆を売ってみよう」と思いました。

珈琲豆焙煎所Doma。コーヒー豆の焙煎、販売を行う予定。

9実は津山も京都もかわらない。違うのは、いいところに気づいていけていないこと。

丸尾

少しお話が戻るんですが、京都にいらっしゃった時と、今の津山との違いって何か感じますか?

竹内

まず、人の数とお店の数が全然違うんですけど、僕が一番感じるのは、“若い人の価値観”ですね。そこが大きく感じます。別に津山の人が悪いとか、京都の人がよいとか、というわけじゃないのですが。

津山の人は自分が住んでいる土地のよい所を見ようとしないで、ついつい意識が外に向いている気がします。休みの日にもどこか別の地域に行くことを楽しんでいるように感じますよね。

京都にいる時は、全然そんなこと感じなくて、むしろどこかから観光客が来るばっかりで、京都に住んでいる人達は、その自分達が住んでいる場所がなんて素晴らしいんだろうみたいなのを、強く感じていたなと思います。

だから、自転車で行ける範囲内におもしろいものがあったり、お店も特色がかなり濃いものがあります。それが全然違うなと思います。津山の人は、『万人受けするものじゃないとダメだ』みたいな考え方の人が多いように感じます。

丸尾

地形や歴史的な要因もあるのかもしれませんが、外に求めるのが当たり前になっているので、自分達のいい所を見ることができなくなっているのかもしれないですね。

竹内

もったいないですよ。 実際僕はこの辺に住んでいるんで、ここが生活圏内なので、感じるのですが、別にかわらないですよ。津山と京都。店の数と人の数が違うだけで、やってることとか、あんまり変わらないなと思うんですよ。

丸尾

自分達の近くに、見えると全然違うものが、たくさんあるのかもしれませんね。

竹内

本当にそれは、すごく感じます。近所に50年くらい住んでいる、おじちゃんに、通りの風景を見て「ここ見て!この角度でこう見て!すっげーええじゃろう?」って言ったら、今までそんなこと全然思っていなくて、「この角度で、じっくり見てみたんじゃ。ええなー!再発見じゃ!」って言っていたので、そうそうその調子!と思って(笑)

そういう感覚が少ないですね。もっと自分が住んでいる場所に自信もったらいいのになって思う事があります。

10家族があっての自分がいる。時間の使い方とかも、そういう風に考えています。

丸尾

それでは、最後になるんですけども、竹内さんが日頃大切にされていることは何ですか?

竹内

やっぱり家族です。 僕は何で仕事をしているのかって聞かれると、家族のためなんです。家族があっての自分がいるので、時間の使い方とかも、そういう風に考えていっています。

家族を大事にするために仕事をして、家族を大切にできないのに、仕事ばっかりになりたくないんです。ただ、仕事に対しても、もちろん自分が自信を持てるものを提供したい。妥協はしたくないと思っています。自信を持てるものを表現して、それをお金にかえて、人にそれが欲しいんだと言われて、そして買ってくれた人が喜んでくれることを仕事にしたいなと思っているんですよ。

買ってくれるお客さんも、作っている作り手も、どっちも幸せな気持ちになれるんです。だから僕はコーヒー豆を焙煎しているんです。 自分も楽しくて、お客さんも喜んでくれるから。これが全てのモチベーションですね。

だからハンドピック(※)も手を抜かずに、お客様の満足した顔を想像しながら、これをやることで“ちょっとでも喜んでくれるかな”というのをモチベーションにかえて、やり続けています。
※ハンドピック・・・焙煎前に、混入している不純物や、質の悪い豆を手で取り除く作業。

丸尾

お話を聞かせていただきありがとうございました。「津山も京都も同じ。違うのは、いいところに気づいていけていないこと。」お話を聞いていてとても共感しました。 “あたりまえのコト”を再度見つめなおすことで、もっと仕事・暮らしは楽しくなるのではと感じました。竹内さんは京都から津山市にUターンのかえーる人でした。

“コーヒー豆の焙煎で、買ってくれるお客さんも、作り手もどっちも幸せな気持ちになれる”

turns23-13

コーヒー食堂レインボー
自家焙煎コーヒー、パスタ、リコッタチーズケーキ、焼菓子など。地元の食材を中心に、手作りで体にやさしいものを食べていただけるように。

岡山県津山市山下46-20
http://ameblo.jp/rainbow0401/

 

取材日:2015年6月5日
撮影地:コーヒ食堂レインボー、珈琲豆焙煎所Doma

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