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2017年03月08日 更新

おもしろきこともなき世をおもしろく

アートインク津山インキュベーター 山田邦明(後編)

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岡山県にある、 アートインク津山インキュベーター 山田邦明(後編)さんに、お話を聞いてきました。

1シェアハウスはめちゃくちゃおもしろい。

丸尾

先ほど「シェアハウスに入られた」と言われたんですけど、どういう感じでしたか?

山田

ここが一番熱く語れるぐらいなんですけど。2つのシェアハウスに入居したんですが、両方とも人数が多くて、入居者が100名と180名。

丸尾

すごく大規模ですね(驚)。

山田

(笑)そうですね。今、「ソーシャル・アパートメント」という概念でやっているみたいなんですけど、これが本当によくて、両方ともオープニングぐらいで入ったんですね。

だからこそというところもあったんですけど、そこに集まる人たちは本当にいわゆる「何かしたい」人たちが多くて、肩書だけで見てもいろいろで、お医者さんとか会社経営者とかもいるんですけど、そういうところでの、誰かがおもしろそうだなと思いついて、それを実行して、そのフィードバックもらってという生活をしていたんですね。

遊びのイベントもそうですし、ちょっと社会的意義のあるようなイベントも。100人とかで集まって、全員が参加するわけじゃないですけど、5、60人が1個のことをやると、やっぱり1つの力になるんですよね。そういうのを見て、何か変わった姿を見るのはすごく楽しかったので、ここでの生活は今の活動に活きていると感じます。

丸尾

そこで生活されている方たちと話す機会がたくさんあるんですよね。

山田

そうですね。コミュニティースペースが1階全部で、上に個室の部屋。コミュニティースペースに行ったら誰かいて、話しているうちにみんな仲よくなってくると。

丸尾

結構何か一緒にやろうよとか、議論したりとかもあるんですか?

山田

おもしろかったのは、ほぼ悪ふざけなんですけど(笑)、男だけでディズニーランドに行って、白シャツ、チノパンでミッキー帽子をかぶって行って――ちょっと「モテた」でインターネット検索しておいてください。

そういうのをやったりすると、男子ディズニーというブームがそこから生まれたりとか。今あるんですよ。絶対その「はしり」だと思っています(笑)。150万人ぐらいの人に見られたんです、友達が書いた記事なんですけど。


【参考】男だけでディズニーランドに行ったらモテたお話
http://blog.nzakr.com/disneyformen/

丸尾

すごい。思ったより人数いました。

山田

男の人数感。これ、21人。

丸尾

声かけられたりしたんですか?

山田

めっちゃ声かけられましたよ。女の子たちが「一緒に撮ってください」って。
もう死ぬほどモテましたよ、これ。

丸尾

何かそういう軽いノリから、社会課題に通じるものもあったりとか、いろんなレイヤーのものが生まれてくるような場所なんですね。

山田

一番大事だったのは、やっぱりやっている本人たちがおもしろかったんですよね。おもしろいからアイデアも出るし、自分たちでここまでやり切りますみたいなコミットをちゃんとするし、やらされている感がなかったので。結果、すごいおもしろいことになっているというのが、多分今の行動にめっちゃ活きているんですね。

あと、そのシェアハウスに産婦人科医の同級生がいたんですけど、その人が、年頃の女の人たちがたくさん住んでいるので、その人たちの質問にただ答える、みたいな感じのイベントをやっていました。

それが、どんどん聞く人が増えていって、みんながいかに正しい知識を持っていないというか、正確な知識が得たいのに、ネットでは手に入らないし、お医者さんにわざわざ行くというのはハードルが高いという人たちがたくさんいて、そういう不安がいっぱいあるんだなという気持ちがわかるようになって、その子はNPO団体を最終的にはつくって、今も結構活動されていたりしますし、シェアハウスはそういうのが生まれる場所ですね。


【参考】NPO法人親子の未来を支える会
http://npofab4.wixsite.com/fab-support/about-us

丸尾

普段の生活の疑問とか不安とかも共有するのですね。

山田

子ども欲しいけど、例えば仕事と両立できるの? みたいなことはネット調べたらいろんな意見があるじゃないですか。でも別に専門家の意見でも何でもないし、どれを信じていいかもわからないというようなのをフラットにぱっと聞ける場所があって、それからいろいろ解決したりできますよね。

そういう意味でいうと、弁護士である僕に対してもそういう質問がいっぱいあって、それはこういうふうに解決していけばいいんだよという、最初の一歩を踏み出しやすい場所でもあるんです。そういう文化がそのシェアハウス1棟1棟、いろんな色があるんですけど、すごく楽しかったですね。

丸尾

さっき言われたように、経営者とか医者の方もいらっしゃったと。ITベンチャーとかエンジニアとか多そうではありますよね、イメージ的に。

山田

そうですね。ベンチャー系の人も多かったですが、どっちかというと、大企業で3年ぐらいやっていて、自分の仕事が当たり前にできるけど、人生このままどうすればいいんだろうと思っている人が多かったです。そういう人が好き勝手に生きているベンチャーの人とか、フリーランスでやっている方とかと会って、すごい数の人が退職しました(笑)。

みんな退職して、リクルートとかにいた人が「面白法人カヤック」に入ったり、大手のいわゆる三井住友系にいた人もやめて、フィンテック系のベンチャーに入ってみたりとか、そういう退職率の異常に高い空間でしたね。新しい人生を踏み出す人がすごく多かったです。
だから中の友達も、もともと大きいいわゆる商社にいたんですけど、そこをやめてアカツキに入ってきましたし。そういういろんな変化がありましたね。

丸尾

何かめちゃくちゃおもしろい場所ですね。

山田

おもしろかったです。あれは絶対入った方がいいです。

2言語化が難しい、津山に戻った理由。

丸尾

そして、株式会社アカツキを経て、津山に戻ってこられました。先ほど言われたように、やっぱり故郷はポイントだったのでしょうか?

山田

それは、結構言語化が難しくて、そもそもエーゼロ株式会社の代表取締役の牧大介さん(株式会社西粟倉・森の学校の創業者)に東京でお会いして、「一緒にやらないか?」みたいなことを言ってもらって、そちら側も併せて興味を持って進めていたんですけど、そっちはそっちのおもしろさがあって、地域という資源をどれだけうまく使って、価値あるものをもう一度ちゃんと価値あるものに位置づけ直せるかということに挑戦している会社で、僕はそれはすごく好きだし、それをやっていきたいですし、やっていて楽しいなという気持ちはあるんですよ。でも、それとここ津山市というところに帰ってきたというのは、ちょっと違うかなと思っていて、これはこれでいいんですけどね。津山市は何なんでしょうね?本当に(笑)。

すごいいいものがあるから戻ってきたという気持ちは全くなくて、むしろ面倒くさいところが多いですし、僕が新しいことやろうとしたときのいわゆる批判とかがすごい(笑)。何か今一うまくいかないことも多いし、向こうだったらもっと楽しくできたのにと思うこともやっぱり多くて。

むしろ僕が楽しく生きていくというのが、結構コアに多分あって、この「楽しい」というものの種類の中に、例えば1つは家族とか、両親とか、おばあちゃんとかと一緒に、今まで1年間に一回会えたらいいぐらいの人たちと一緒に生活するというのは、多分「楽しい」の中に入ってくるので、そういうのはすごく大事にしたいんですよね。あと、最近子どもが生まれたので、子どもと一緒に生活するというのは、僕の人生の中の相当上位の優先順位なので、その子との時間を大切にしたいです。

「イクメン」っているじゃないですか。僕、あれは全員うそだと思うんですよ。育児「サポート」しますと言うじゃないですか。いや、当事者だったらサポートという言葉は出ないだろうってすごく思うんです。最近いろいろ記事とか本とか読んでいますけど。じゃなくて、自分が当事者なんだったら、サポートという言葉じゃなくて、自分がやっているんだから「助ける」とかじゃないじゃん。という気持ちがあって。

そういうふうに思えたのは、今、エーゼロの方の仕事も、場所と時間の融通が結構利く仕事なので、日中とかは子どもと一緒にいれるんですね。その子どもと一緒にいれる時間ができたから、そういうことにも気付けて、大切にしたいと思っているものを大切にしている状況がつくれているんですね。これがちゃんと僕自身もできるようになって、周りでそういうふうにできていないけど、そうしたい人たちが、どんどんそういうふうになっていけたらいいなと思っています。

今の世の中へのその人なりの合う形みたいなのを一緒につくれて、その合う形の中で、ちょっと言い方あれですけど、その人らしく生きていけるような状態がつくれたらいいなというのを、ここの半年か1年ぐらいでずっと考えていました。

3みんな自分の最大化が、世の中にとっても最大の価値。

丸尾

アートインク津山でのインキュベーターもそういった仕事ですよね。

山田

そうですね。ここに来た人たちも新しくお金が生まれるような仕組みをしっかりつくって、みんなが言うなればハッピーに生きていければいいなと思っています。
何かそういう状態をつくるために、いい意味でこのインキュベーターという仕事は利用させてもらいたいですし、自分自身も、ここを、アートインク津山という――場所だけじゃないんですけど――ところを使って、そういう人たちが集まれる場所をつくりたいなというところに、何か今すごい熱量あります。すみません、熱くなってしまいました(笑)。

丸尾

本当に東京で働いていたときよりも、今は結構働く時間も短くなっていますか?

山田

時間は短いですね。ちょっとこれも考え方が変わったんですけど、ちょっと前までだったら、仕事をいかにうまくやるために、ほかのことを効率化するかみたいな考え方だったんですけど、今は、自分の楽しみとか、自分に関わってくれている人たちの幸せみたいなのを最大化するために、どういう仕事をすればいいかというふうに考えるようになりました。

この転換が結構大きいかなと思って。仕事とかって1個の自己表現なんで、楽しいっちゃ楽しいんですよね。時間使えれば使えるだけ。なんですけど、それだけやっていたら、他がおろそかになっちゃって、それって本末転倒だなと思っていて。幸せを大きくするために仕事もあるし、家族もいるし、友達もいるしというふうになっているんだなって気付いたので、そういうふうに時間とかの使い方を変えていきました。

やっぱり個々人、一番抽象度高く言うと、幸せだったらいいんですよ。どんな状況でも幸せだと感じている状態がつくれているんだったらいいんですよね。それは人によっては、自分で事業起こして、自分がやりたいことだけやるという状態なのかもしれないですし、他の人にとっては、誰かこの人いいなという人のもとで、自分ができることを一生懸命やるということかもしれないので、そういういろんな人の自分にとっての幸せというのをまず認識してもらえる場所、みたいなのがつくれたらいいなと思っているんですよね。

丸尾

創業や就職もそのほかも、いろんなやり方があって、その中で人それぞれ、多分自分を最大化するところに行きつけるのが一番よいのかなと思いますね。

山田

そうなんですよね。ただ、やっぱり今の言葉、おっしゃられたように、自分の最大化が多分、世の中にとっての最も価値なことだと思います。その自分の最大化というのは、自分の心の状態がすごくハッピーな状態じゃないとなされないと僕は思うので、ハッピーな状態になってくれるといいですね(笑)。

丸尾

言うと軽くなっちゃう(笑)。

山田

「みんなハッピー」(笑)。

4地域にうまく受け取ってくれる人がいれば、カタチになる

丸尾

これからチャレンジしていきたいのは、まさにそういうところでしょうか?

山田

今もし誰かが何かをやろうと思ったときに、その人は、どこにそれを持っていけばいいか、誰に話をすればいいか、わからないんですよね。
何かちょっとしたいなとか、これ興味あるなというときに、地域に誰か1人、それをうまく受け取ってくれる人がいるだけで、それは何かのカタチになると思うんですよ。

でも、それを否定する人に最初に相談してしまったり、誰にも相談することができなかったら、それはそれで消えちゃうんですね。抽象的な言い方になりますが、今誰かが思いついた種というのをちょっとでも芽生えさせていくということがしたいです。

本当はこの津山にいる10万人とか、県北にいる多くの人全員が幸せに生きていけるような仕組みを作れればいんですけど、それはまだ次の段階だなと思っています。今はまず、既に何かやりたいことを持っている人たちを対象に、アクションしていきたいと思っています。
それがこのアートインク津山というところに対して興味を持ってくれているような人だと思っています。なんでアートインク津山でのインキュべーターという仕事を結構気合いを入れてやりたいですね。

5無理に高い熱量ではなく、 人の内側にあるものを大事に。

丸尾

最後の質問ですが、山田さんが大事にされている言葉があれば、教えていただきたいのですが。

山田

そうですね、その時々でめっちゃ変わるんですよ(笑)。僕変わること自体いいと思っているんですけど、最近は「おもしろきこともなき世をおもしろく」という高杉晋作の辞世の句なんですけど、それがめっちゃ刺さっています(笑)。

「つまんないな」と言っている人って、やっぱりその人のメンタリティだと思うんです。おもしろいなと思っている人って、常にどんな状況でもおもしろがっているので。だからおもしろくない世の中だなと思って、「おもしろくない世の中ですね」と言うんじゃなくて、それをおもしろくしようよという生き方がかっこいいなと思っています。なので、それが今ここ3日ぐらいの座右の銘です(笑)。

丸尾

ちょっとでも自分がおもしろくしてやろうとか、どうやったら変わるか?という、疑問のレベルでもいいんですけどね。それを持っている方をまずはベースに変えていけたらよいですよね。

山田

やっぱり温度が既に高い人から、今はまだそんなに高くない人に広がっていくと思うので。最初はそこの温度が高い人と一緒に、もっと熱量上げていけたらいいなと思いますけどね。無理やり高い熱量でわあっとやるんじゃなくて、その人の内側で静かに燃えるものをちゃんと大事に育てていけたらいいなと思います。

そういう人こそが本当に熱量高い人だということだと思います。外からは見えにくい、すごい低血圧系の人だとしても、やっていることは明らかに自分の核に基づいたことをやっていたりするので、そういう人と絡んでいきたいですね。

おもしろいというのも、funnyとinterestingと、いろいろあっていいと思いますし、本当にただただ植物を見るのが好きな人で、それだけをし続けられたらお金は何も要らないと言う人がいたとしたら、それはそれでいいじゃないですか。素晴らしいですよ。
僕がやるのは、その人が、そのような理想の生活ができるような状態を一緒に考えたいんですね。

無理やりビジネスにするとかじゃないんですけど、こういう家に住んで、こういうふうに自動でお金が入ってくる仕組みができたら、その生活だけできますよ、みたいなのを一緒に考えられたらいいですね。

「おもしろきこともなき世をおもしろく」

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山田 邦明
エーゼロ株式会社 取締役
レプタイル株式会社 インキュベーター
津山高専 非常勤講師
岡山県津山市にて、好きな仲間と好きなことをモットーに、地元支援や地域文化のため、幅広く活動している。また、自身の「きりくちぶろぐ(http://www.kirikuchi.net/)」というブログで日々情報、考え方等の発信を行っている。

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インキュベーションセンター アートインク津山
岡山県津山市田町23

お話を聞かせていただきありがとうございました。シェアハウスや、ベンチャーIPOの経験などとてもおもしろいお話でした。津山に戻った理由は言語化が難しい。私自身も東京から津山にUターンしましたが、理由を言葉で明確に表現しようとすると難しいと感じます。それが故郷ということなのでしょうか。これから岡山県北地域での取り組みも注目です。山田さんは東京からUターンのかえーる人でした。

取材日:2016年2月3日
撮影地:アートインク津山

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