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地域に真正面から向き合う、土建屋2.0

有限会社小松組 代表取締役

小松隆人

西粟倉村

岡山県にある、有限会社小松組 代表取締役 小松隆人 - 岡山県北の求人情報サイト「いーなかえーる」さんに、お話を聞いてきました。

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1人口1500人の西粟倉村にある土建屋です。

丸尾

小松組は、ここ西粟倉村で、どのようなことをやられている会社ですか?

小松

小松組は、公共事業などの土木工事業を、祖父の代から50年近く続けてきました。2015年に私が3代目代表になりました。代表になる以前からですが、地域がだんだん疲弊してきた印象がありました。高齢化なども含め地域に寂しさを感じていました。

生まれ育った西粟倉村に対しての想いがありますが・・・、個人レベルでできることは限られています。そこを事業を通じて自分を育ててくれたこの地域に対する恩返しをしたいという気持ちがありました。そこで、地域の土建屋でありながら、さらに地域の高齢者の方に向けたサービスを始めたのです。

丸尾

それはどんなサービスを提供するのですか?

小松

どんな小さなことでも、お家周りの困ったことになんでも相談に乗ります。例えば、本当にごくごく簡単なことでいうと、「少し高いところにクモの巣が張っていて、玄関だけど手が届かない、棒も届かない、はしごもかけられない、はしごに登れない」という方もおられます。これはお金云々という話ではないですけど、例えばそんな小さなこともです。一回数千円のサービスから、どんなことでも、頼まれたらお断りしないということを大事に取り組んでいるので、事業分野というと幅広くなっちゃうんですけど(笑)。

都心部などとは違って、地方で中山間地域の村というのは、昔から一軒家があり、大抵の方が田んぼや畑があり、墓地があったりとか、山を所有していたり。これが全てでワンセットです。なので、お困りごとといっても、家だけのことかというと、そうではないんですよ。お盆前にお墓掃除に行くけど歩いていくのがしんどくなって、それができないと。そういったことも多く出てきていて、本当に事業分野でいうとすごく広いですけど、全ての困りごとに対応するということを大事にしています。

2「地域の頼れる土建屋さん」として。

丸尾

社歴として50年という地域に根付いた歴史があり主力事業は地域公共工事、さらに、地域のお困りごとを解決するような、個人向けのサービスもされているということですね。ちなみにどれくらいの比率なのですか?

小松

そうですね。初めは、個人向けサービスは売上の1割も満たないぐらいしかありませんでしたが、今では「公共事業が6」に対して、「個人向けサービスが4」くらいの割合になっています。

丸尾

そんなに個人向けサービスの比率が増えているのですね!?個人向けサービスは他にもありますか?

小松

もう1つ事業としてやっているのは「空き家管理」というサービスです。最近はすごくニーズが増えてきました。ふるさと納税の「返礼サービス」という形で登録しています。ふるさと納税は、よくあるのが「返礼品」なんですけど、「返礼サービス」という形で登録していまして、今年に入ってからでも、月に複数の依頼をいただいており、それが「お家の管理」であったりとか、「墓地の管理」とか、いろいろパターンを分けているんですけど、その辺が結構最近は増えてきていますね。

3歴史ある土建屋だからこそ、地域のことを知っている。

丸尾

はじめは地域のニーズや声に応えてきたという感じでスタートしたのですか?

小松

以前は、個人の方々から依頼いただいていても「できませんよ」というスタイルだったんです。中でも、本業での技術ノウハウを生かせるサービスのみは、対応してきていたという感じでした。例えば、山沿いに家があり、山からぽろぽろ石が崩れてくるというお悩みがあり、コンクリートの壁をつくったり、そういったことは専門的なことなので対応していました。その他のことになると自社で対応できないということもあるので、全てお断りしていたということだったんですね。

ですけど、先ほども言いましたが、地域内で高齢化が進んでいるということは、職人さん、大工さん、左官屋さんなども既に地域内からいなくなったり、激減しているという状況です。全てに対応するためには、小松組が窓口になり、必要な部分はアウトソーシーングで他社と連携という形で対応します。お声がけいただいたら、必ず直接はサービス提供できなくても、アウトソーシングでお困りごとを解決したい。そういったスタンスでやっていますね。

丸尾

まさに1,500人の村の「頼れる土建屋さん」として、地域のお困りごとの受け皿になっているのですね。

小松

そうですね。もともと土木工事業で地域内のあらゆるところで工事をしてきたわけですね。例えば山の中で新しく林業のための林道をつくるとか、当然一般道もそうですし、昨年では西日本災害があったので、川の復旧などをやっているのですが、あらゆる土地についての情報を私たちは知っているんです。「そこに何がある」とか。

だから電話1本、お客さんから、「どこの辺りにうちの田んぼがあるんだけど、ちょっとこうなっているから見てくれない?」と言われても、すぐ分かるんですよ。「ああ、あそこだね」って(笑)。そういったところって、非常に自社の強みかなとも思っていますし、そういったことが、やはり1つ頼られてきたきっかけの1つでもあったんだろうなと思いますね。

4当たり前に見てきた父親、祖父の姿。

丸尾

小松さん自身は、西粟倉村でお生まれになって、その後どこか出られていて戻ったとか、そういう経緯はありますか?

小松

そうですね。中学卒業後は、高校は津山市に出まして3年間過ごしました。その後は広島市内のこの業界の専門学校に進み2年間過ごしました。卒業後はこのまま家業の会社に帰るのもどうなんだろという?ちょっとふわっとした感じがあったので、故郷には帰ってきたんですけど、隣の美作市の会社に就職させてもらって、2年間勤めさせていただいて、それからこの会社に帰ってきました。

丸尾

小松組にもどろうと思ったのはどういった心境からでしたか?もちろん自然の流れというのもあると思いますけど。

小松

後から思ったことですけど、やはり子供のときから育っていく上で、父親や祖父が一生懸命頑張っている姿を見ていたんですよね。「あぁ。格好いいな!」というのは常に脳裏にあって、それが当時はうまく言葉で表現できなかったのですけど、大きかったのでしょうね。

丸尾

育った環境によってインプットがありますもんね。そういう親を近くで見ているというのは、現代ではちょっと特殊な経験かもしれないですね。

小松

そうですね。育ってきた中では、それが当たり前なんだろうくらいな感じで育ってきたんですけど、何か大人になったとき初めて気が付きましたね。それがなければ経営者という選択肢は恐らく自分にはなかったのだろうなと・・。

5個人でも会社でも、地域に関われる喜び。

丸尾

そうかもしれないですね。小松組さんとして地域の課題を解決するような仕事をされていますけど、故郷でもあり動機は強いかなとも思いますがその辺りはいかがですか?

小松

そうですね。地域に必要とされているということは、日々実感しながら経営をしています。でもそれは仕事だけじゃないんですよね。例えば私、子供が4人いるんですけど、子供のことに力を入れたいなとか、そうなると必然的にPTA会長とかやってみたりとかね。何かただの出しゃばりかもしれないですけど(笑)。地域に関わっていくということが、自分個人であっても、会社としても非常に日々が楽しいですね。

丸尾

西粟倉村は1,500人の村であり、地域創生の分野では全国的に有名で、面白い移住者とか起業家が集まる村と言われています。小松さんもよくそちらのコミュニティにも顔も出されてますよね。

小松

Iターンの方々は、結構自分と同じ世代の方が多いのですが、もともと関わるきっかけはあまりなかったんです。きっかけは、子供同士が同級生という学校からの繋がりでしたね。それと、自分はIターン者とか地元民とかってそもそも気にしてないのでどこにでも顔出してますね。

6地域が少しでも楽に、そして楽しくなるように。

丸尾

地方地域ってIターンとUターンと地元民という、3種類の人がいてそれぞれ感性というか感覚が違う印象がありますよね。だからIターン者と地元との間に入れるのがUターンしてきた人たちかな?とも思ったりするんですけど。

小松

それはすごく感じますね。自分としても一度村から出て、戻ってきたということは、大きな経験であったし、それが今につながっているのかなとも思いますね。

丸尾

自分の地域がちょっとでもよくなるとか、変わっていくとかというところに関わる仕事というのは、やりがいがありますね。

小松

そうですね。だから、この事業は何のためにやっているか?を自分自身が分からないような事業は初めからやらない方がいいんですよね(笑)だから「自信を持ってこの事業をやっている。」「目的があってこの事業をやっている。」と自分の中で確立して取り組むことが、すごく大事なことだと思いますね。

7新しい事業で村中心部も変えていきたい。

丸尾

これから小松組としてチャレンジをしていきたいことは、何かありますか?

小松

西粟倉村は基本的に建物が足りていないんですよね。住居であったりとか、オフィスであったりとか、店舗だったりとか、空き家がもう既に不足している。珍しいケースなんですけど。

丸尾

地方で空き家がたくさん出るのは、イメージがつきますが。

小松

そうなんですよ。この4月からも20人程度、Iターンで西粟倉村に来る予定になっているらしいんです。だけどそうなってくると、シェアハウスもありますがそれだけで生活するとなると難しいし、空き家を利用するのにも、限界を感じている部分があります。
その辺りを解決する事業を構想中です。西粟倉の中心部に関しても、もっと賑やかさが欲しいんですよね。

中心部には建物が建っていないだけで意外と余り地があって、小松組としても長年地元で事業をやってきた信頼もあって、土地の購入や賃貸はお願いしやすいのでその強みを生かして、不動産関連事業も広げていきたいと思っています。

810年後に後悔をしないように。

丸尾

最後に、小松さんが大切にされていることを教えてください。

小松

とにかく真面目に生きることです(笑)
こんなこと話すと、お堅い人みたいなんですけど(笑)。常に周りを見ていたいと思っています。それが家族であり、会社であり、社員であり、地域の学校であり、地域のお年寄りであり。その視点をつねに持ちながら日々一生懸命生きたいなと考えています。

10年たって、「やっておけばよかった」という後悔をしないように。後悔って誰しも好きなことではないんですけど、だから限られた余生の中で、とりあえず限界まで頑張るというところですよね。自分の人生定年は50年と決めています。あと12年か。短いですよね(笑)。

地域に真正面から向き合う、土建屋2.0

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有限会社小松組

小松組は『地域の頼れる土建屋さん』です。いま、地域ではさまざまな問題があり、多くの課題を抱えております。その一つとして、過疎化・少子高齢化は特に大きな問題であり、地域の皆さまの住環境に不便が発生している現実があります。私たち小松組は、この現実に真正面から向き合い、地域の困りごとを解決できる「地域の頼れる土建屋さん」に変革していきます。

いーなかえーる 小松組の求人情報
https://kenhoku.jp/details/komatsu1/

お話を聞かせていただきありがとうございました。村から一度出て帰ってきたからこそ持てる視点があり、地域課題に真正面から向き合う姿勢にとても共感しました。既存事業の土木建設業の枠を超えた、土建屋2.0、これからが楽しみです。小松さんは広島から西粟倉村にUターンし、地域と真正面から向き合うかえーる人でした。

 

  • 取材日:2019年2月22日
  • 撮影地:有限会社小松組、西粟倉村(岡山県)
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