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かえーる人

岡山県
美作市

2019年04月17日 更新

世界中とつながる。衣・食・ジュエリー。

Antamina 代表 山本敦史

岡山県にある、 Antamina 代表 山本敦史さんに、お話を聞いてきました。

1ジュエリーデザイナーであり、ゲストハウスを運営。

丸尾

Antamina(アンタミナ)の山本さんにお話を伺います。山本さんは現在どういった活動をされているか教えてください。

山本

Antaminaというブランドを立ち上げてジュエリーデザインの仕事をしながら、ゲストハウスの運営を行っています。2019年4月からは運営しているゲストハウスが3拠点で合計13棟になります。ジュエリーデザイン業とゲストハウス運営、この2つが主な軸です。

運営しているゲストハウスは、ここ美作市の「難波邸」とそれからもう一拠点として津山市にある「農家民宿UJITEI(ウジテイ)」があります。さらに2019年4月1日から運営スタート予定になっている、美作市の「トム・ソーヤー冒険村」が3拠点目であり、そこはコテージが11棟あります。

2宿とジュエリーは繋がっている。

丸尾

ゲストハウスとジュエリーという組み合わせが面白いですね。

山本

僕がコンセプトに掲げているのが、「衣食住」の「住」が“ジュ(エリー)”でもあるんです。(笑)「住む場所」と「ジュエリー」というこの2つが、僕の中では同じで、宿をすることも決して、ジュエリーから離れていることではないんです。

ジュエリーの起源にさかのぼっていくと、ジュエリーは“心のよりどころ”です。祈りや願いを込めるもので、きらびやかな宝飾品ということよりも、思いを込める場所で“心の住みか”みたいなものなんですよ。

住居が“身体のすみか”と捉えて、宿を運営することで、僕はちょうどその間をどちらも行ったり来たりしています。ジュエリーをオーダーしていただく方は、宿泊して、“心のよりどころ”となるジュエリーをつくるという一続きとなっています。

3運営している宿について。

丸尾

本日お邪魔しておりますこの場所「難波邸」について教えてください。

山本

ここ難波邸は、美作市大原の宿場町に位置する築104年の古民家です。現在はジュエリーショップと宿泊とものづくり体験施設として運営しています。奥にある工房では草木染めやアクセサリー作りができ、滞在しながらものづくりを体験できる場所となっています。今後は様々な技術を持った作家さんたちに使ってもらえる場所になればなとは思っています。

丸尾

津山市のUJITEI(ウジテイ)は、どういった感じの宿でしょうか?

山本

コンセプトは、田舎の日常体験を軸とした宿泊施設です。餅つきやしめ縄、生け花や書道を体験していただけます。田園風景が広がる田舎の宿ですが、利用者の9割が外国人という、ちょっと珍しい宿になっていると思います。

これまで日本の田舎に興味はあったけど、里山の景色が残る田舎には、旅行者が気軽に泊まれるホテルや宿がなかったんです。私たちが民宿を開始してAirbnbに掲載したことで、日本の田舎に興味を持っていた世界中のゲストと繋がることができ、開業から5年経った今でも世界中のゲストで賑わっています。

丸尾

2019年4月から運営される美作市のトム・ソーヤー冒険村というのは、今までの民宿とはちょっとタイプが違うんですか?

山本

トム・ソーヤー冒険村は、30代、40代のファミリー層が中心の宿泊施設です。大人も子供も一緒に楽しめるものづくり体験を用意したいと思っています。

岡山県美作市古町にある旧宿場町『大原宿』。街並保存地区に指定されている旧街道。

4ベルギー留学から、あえてローカルへ。

丸尾

山本さんはどちらのご出身ですか?岡山県北部にこられた経緯も教えてください。

山本

兵庫県の神戸市出身で、大阪芸術大学で金属工芸を学びました。二十歳の時にジュエリーの道へ進む覚悟を決め、どうせやるなら日本で学ぶのもよいけど、世界で通用するレベルで!と思うようになり、その頃から留学を意識し始めました。

卒業後は、大阪で現代アートのギャラリーに勤めたりアルバイトをしながら、ベルギーのアントワープ王立芸術アカデミーへの留学準備をしていました。ファッションとダイヤモンドの有名な街には、宝石商が集う地区があり、ダイヤモンド美術館やダイヤモンドバンクがあるんです。世界の7割のダイヤモンドの取引が行われているアントワープでジュエリーを学ぶため1年間留学をしました。

丸尾

一年間の留学後はどのような経緯だったのですか?

山本

留学後は、東京に行くつもりでした。大阪からベルギーに行って、その後は東京で勝負するという王道コースを取ろうと思っていました。その為にベルギーで経験を積んで東京に行こうと思っていたけど、ベルギーに居る時にふと思ったんです。

本当にものづくりしたかったら、東京ではなくて、もっと自分と向き合えるような場所がよいのでは?と思い始め、自然と地方に目が向くようになりました。妻と話して、自分たちが制作に集中できる場所であり、今後子育てする場所として東京ではなく、妻の故郷津山市周辺で家を探していて、隣の美作市に縁があり辿り着きました。

5Whyは自分でもできる質問。

丸尾

東京でデザインで勝負していくということはイメージつきますが。ベルギーに行かれて、そこで何か気づきがあったのですか?

山本

そうですね・・・デザイン教育の違いです。

日本はどちらかというと、「もっと綺麗に磨きましょう」「痛くないように角を丸めましょう」といった、外見や技術重視でした。

ベルギーでは入学して早々に、「なぜあなたはこの学校に来たの?」と言われたんです。試験に合格してやっと入れたと思ったら、「なぜ来たの?」と。そして、つくったもの全てに対して、「なぜこれつくったの?」と言われます。もっときれいに磨きなさいとか、そういうことは一切言われなくて、例えばジュエリーで、今着けているものは向こう(ベルギー)でつくったやつですけど、これを作っているときも「なぜあなたは、この表面仕上げを選んだの?」と聞かれました。

山本

自分自身でも気付かない過去の体験や、何か惹かれるものがあって、知らず知らずに取り入れていることに気がつくんです。例えば、この(ネックレスを指さしながら)表面がざらざらしていたら、日本だったら「磨きなさい」と言われるんですよ。けど、「あなたがこのざらざらを残した理由を教えてほしい」という、やっぱり一歩踏み込んだ質問に、教育や文化の違いを感じましたね。それってシンプルに「Why(なぜ)?」なんです。自分でも質問できる言葉です。

それによって、「なぜ東京に行くのか?」「売れたいだけなのか?」みたいな問いかけになりました。そして、自分がよいジュエリー、納得したジュエリーをつくれるのはどこだろう?と、考えていくと、水も空気もきれいで美味く、制作するスペースも広くて、好きなときに金槌叩いて怒られない場所が理想じゃないの?そんなの東京にあるかな?って。

難波邸にあるJewellery Antaminaのギャラリーショップ

6美味しい果実を鳥がつつきにくるように。

丸尾

東京に自分が出て行くのではなく、あえてローカルでお客さんに来てもらうという発想なんですね。

山本

美味しい実がなっていれば、自然と鳥がつつきにきますよね?この建物の裏に立派な柿の木があるんです。秋になり実が熟して色づきはじめたら真っ先にカラスがつつきにくるんです。微妙な色の変化や匂いに気付いて。おいしいと思ったら翌年もまた来るし、純粋に「それだけ」のことだと思っています。果物もジュエリーも人も同じ。どこにいても自分が納得している生き方が大切だと思います。

7指輪について考える時間をつくる。

丸尾

宿泊と兼ねてジュエリーのオーダーをされる方もいらっしゃるとのことですが。

山本

そうですね。それが事業の軸です。一般的には、ショーケースの中にずらっと並んでいる指輪を見ていただいて1時間~2時間程で購入するものです。

僕の場合は、極力指輪を見ず、指輪以外の話をしながら指輪をつくるようにしています。
わざわざこの田舎に指輪を作りに来た方に興味がある、という方に、僕自身の考え方をしっかりと時間をかけて伝えたい。納得した上でオーダーして頂きたいと思っています。長年着け続けるものなので、宿泊して頂き、一緒にご飯食べたり、お酒飲んだり、時には一緒に温泉に行ったりしますね。

指輪は、単なる装飾品ではなく、“心のよりどころ”になるアイテム。だから2人で宿泊するタイミングで、「結婚指輪について考える時間」をつくるんです。僕は「なぜ結婚指輪が必要ですか?」と聞くんです。僕が「なぜアントワープに来たの?」と教授に聞かれたように。「なぜだか考えたこともない、分からない」という方が多いんです。だけど、そこから全てが始まると思うんですよ。その答えが2人から出てきたら、実は指輪って8割ぐらいは出来ているんですよね。

8Be delicious. 自分自身がおいしい素材でありたい。

丸尾

山本さんが日頃から大切されている言葉や考えなどがありましたら、お聞かせいただけますか?

山本

“Be delicious(おいしい自分でありたい。)”です。
生きているようで、生かされている・・・
僕はジュエリーを作っているけど、私山本敦史も日々の食事や生活環境から作られている。

ということは、
ジュエリーをつくる中に、原材料として、僕も生活環境も食材も、全部が含まれているという感覚でいるんです。だから、僕自身は素材だと思っています。プラチナやダイヤモンドとさらに山本敦史が入った指輪。だからお客様が選ぶ時に違和感がない、素材でありたいという気持ちなのです。

自分がデザイナーとして作ったものを売るのだけど、自分がつくられているという感覚になると、切れないつながりがどんどん出てきます。住環境だったり、食生活とか。その辺りが全て繋がって最終的に指輪にもなるし、このゲストハウスの魅力にもなる。全ては“ひとつづき”だと思っています。

自分作りの一環として地方を選び東京には行かないと・・という考え方だったのが、地方でゲストハウスを運営していると外国人ゲストの方が来てくれて、
例えばドイツのデザイナーの方が、僕の指輪を買って帰ってくれたりだとか、世界中とつながってきています。

自分が理想と思える場所に身を置いて、自分を表現するんです。それを嗅ぎつけた人が来てくれて、気に入ってまた足を運んでくれたらいいなと思っています。

世界中とつながる。衣・食・ジュエリー。
0284 - コピー

Antamina(アンタミナ)
デザイナー山本敦史により2010年に設立されたジュエリーブランド。
「なぜ結婚指輪をつけるのか?」ジュエリーの歴史を織り交ぜ、指輪をつける意味を共に考えながらお二人の結婚指輪を制作。
http://nambatei.com/shop/fashion-jewellery

難波邸
岡山県美作市の古民家をリノベーションして生まれた難波邸。ゲストハウスとブランド直営店を運営し、他店では取り扱っていない限定商品や各種ワークショップなどここでしか得られない体験を提供する施設となります。
http://nambatei.com/

UJITEI(ウジテイ)
大自然に囲まれた、農業体験も出来る、薪ストーブ付きの一棟貸し農家民宿。
年間を通して、多くの外国人ゲストが訪れる。
https://www.airbnb.jp/rooms/1019530

お話を聞かせていただきありがとうございました。ジュエリーデザインと宿の2軸で事業を運営されていることがとても興味深く聞かせていただきました。また「Whyを考える」ことがすべての起点となっており、私自身ローカルで事業を行う者としても共感しました。今後運営を始められる事業についても楽しみです!山本さんは神戸市から美作市にIターンのかえーる人でした。

 

取材日:2019年2月12日

撮影地:難波邸

 

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