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店名「櫓(やぐら)」に込めた津山への想い

山菊株式会社 代表取締役

北村 暢宏

津山市

岡山県にある、 山菊株式会社 代表取締役 北村 暢宏さんに、お話を聞いてきました。

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1はじめに。

丸尾

山菊株式会社 代表取締役の北村さんにお話しを伺います。
(会話中、北村さんの愛称のノブさんと呼ばせていただいています。)
山菊株式会社は主にどういったことをされていますか?

北村

飲食業や、精肉の卸売業などをさせていただいております。

丸尾

卸売だけでなく、お店もやっていらっしゃるんですよね。

北村

そうですね。もともと親元で働いていた名残で卸売をしていますが、今のメインは飲食業です。

丸尾

「城下町肉処・櫓(やぐら)」と、続いて出店された「ビフトロ櫓」、僕たちもよく行きます(笑)

北村

ありがとうございます。

丸尾

「櫓」にはランチにもディナーにもたくさんお客さんが来られていますが、どういったコンセプトのお店でしょうか?

北村

安心・安全で『おいしいものを、お求めやすく』ですね。高いお肉は当然おいしいんですけど、そうではなく、日常の外食として皆さんに選んでいただけるような価格設定にしています。

丸尾

市外から来た人を連れて行くことがあるんですけど、みんな値段見てびっくりするんですよ。「安っ!」と言われる方がたくさんいて。

北村

ディナーもだいたい2,000円くらいでご満足いただけています。

2お肉の良さを最大化してくれるシェフ。

丸尾

2店舗目の「ビフトロ櫓」は、1店舗目の「櫓」とはコンセプトが異なりますか?

北村

ビフトロ櫓については、同じ飲食業でも、別ジャンルのことがちょっとやってみたかったんです。それと同時に、自分がマネジメントの部分では関わるのですが、基本的な店舗内の運営は、シェフやスタッフに任せています。ある種、自分の中での経験値を積みたかったというのが1つキッカケとしてありますね。

丸尾

飲食店をやろうとしても、シェフなど、よい方を連れてくることはなかなか難しいと思いますが。

北村

彼(シェフ)は、京都の老舗洋食屋で修業を積んだ後、ホテルで働いていたんですが、縁があって僕から誘いました。彼自身も以前の仕事に対しての葛藤があって、ちょっと一緒にやってみようということになりました。

丸尾

ビフトロ櫓で出されているローストビーフ丼って斬新ですよね。見栄えもすごいですし。遠くから来客があったときは連れて行かせてもらっています。

北村

ありがとうございます。でも、あれはお店として売り出したいところが、実はちょっと違うところにあって。実は思い付きみたいなところもあったんです。思いのほか反響が大きく、おかげさまでテレビなどの取材もすごく増えました。お客様がSNSで発信してくださったのもあってのことだと思います。
ローストビーフ丼を実現できたのは、やはりシェフの技術ですね。僕はお肉の仕入れや販売に関してはプロですけど、調理は一切できないので。彼は僕が仕入れたものの良さを100%、120%引き出してくれるので、とても頼りにしています。

3“今のまま”への漠然とした不安、そして起業。

丸尾

もともとノブさんは津山生まれですよね。

北村

津山生まれ、津山育ちです。高校卒業後、大学に進学して横浜に住んでいましたが、1年半ほどで戻ってきたんです。

丸尾

大学に魅力を感じなかったとか?

北村

今思うと、大学に残りたかったわけでもないですし、津山に戻りたかったわけでもないんですけど。いろいろな経緯の中で連れ戻されたという感じですね。

丸尾

戻ってこられてから、しばらくして起業なさったわけですね。何年ぐらい後ですか?

北村

21歳で帰ってきて家業である精肉の卸売を手伝っていたんですが、起業したのは14年後、35歳のときだったと思います。

丸尾

家業を継ぐのではなく、自分の会社を興そうと思ったきっかけは何でしたか?

北村

そのまま親元にいても、食べていくということだけでいうと、別に問題なかったんです。でも、業界全体や津山市全体が景気的にも右肩下がりの状態で、自分の30年後、40年後を想像したときに、「今のままでいいのかな?」という漠然とした不安がありました。親元にいると、そこに対しての甘えもありますし、自分自身に成長もなかったと思います。育ててもらった力を外で発揮して、将来的に親を助けられたらなという想いがあり、起業しました。

4たくさんある津山独自のお店を、知ってもらいたい。

丸尾

飲食業は食べる人の顔が見えるということで、卸売とは大きく違いますよね。

北村

家業の卸売を手伝っているときには、”食べる人の顔”というところまでは正直考えていなかったですね。だからこそ卸売をしていた時も、実際に食べていただいて、「前回のお肉、良かったよ」という声があったときには、想定外の喜びがあったのを憶えています。

丸尾

もともとやられていた家業の卸売というのは、ビジネス的にも時代の流れとか、変革のタイミングであったりもしましたか?

北村

それはありますね。もう流通自体が一部の超巨大な企業や、ネット販売の企業が残っていくようになってきていますし、そういう時代の中で、中小零細の卸売や仲卸業は淘汰されるという危機感はありました。

丸尾

すでに競合が肉屋さん同士だけではなくなっていますよね。

北村

はい。そういう時代だと思います。

丸尾

津山というと肉が有名で、市外から来られた方は「おいしい」と驚かれるんです。津山の肉をもっと知ってほしいという視点はありますか?

北村

津山の肉自体もそうですけど、おいしいお肉を津山独自の文化で提供しているお店がたくさんあるので、そういうお店をもっともっと、市内の人、市外の人、海外の人に知ってもらいたいですね。

5店名「櫓(やぐら)」は、津山城への想い入れから。

丸尾

今の津山を元気にしていきたいというところが、ノブさんの活動の起点なのかなと思います。これから津山をどういった感じにしていきたいとか、そういった思いはありますか?

北村

子供の頃から津山城に非常に思い入れがあって、店名の「櫓」もそこから取っています。お城をもっと活用したいと思っていて、お城に建物がないなら建物を造りたいし、城下町の整備もしたい。それをキッカケに、人が集まり、消費が生まれ、雇用が増え、定住者が増えたら良いなと思っています。企業として、そういったことが実際に行えるようになりたいですね。

丸尾

これから、さらに店舗展開などの話はあったりするのですか?

北村

この秋に、鶴山公園の下の観光センターのところで1軒出店予定です。観光客の方々に、津山の肉の文化を提供したいですし、夜は夜でこれまで通り焼肉を提供したいですね。

丸尾

これからが楽しみですね。

6自分に足りないことは、周りの人が持っている。

丸尾

最後にノブさんが日ごろから大切にされている言葉があれば、教えていただけますか。

北村

最近は「克己(こっき)」という言葉を大切にしています。「自分に打ち勝つこと」ですね。自分が非常に弱い人間なので。

丸尾

そんなことはないと思いますけど。でも、自分の弱さを考えているのは大事なことかもしれませんね。

北村

弱さを知っているのが強みです。自分は能力が高い人間とも思いませんし、私に足りないものは、スタッフやみんな、支えてくれる方々が持っていますので。

店名「櫓(やぐら)」に込めた津山への想い

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山菊株式会社
ファミリー、仕事場の小中宴会、少人数から食事、お酒を一緒にと幅広くお肉を食べて頂ける「城下町肉処・櫓」、「ビフトロ櫓」を運営。その他、肉の卸し、精肉、弁当販売など。

 

お話を聞かせていただきありがとうございました。店名の「櫓」もとても印象的ですが、北村さんからの「津山城をもっと活用して、津山を元気にしたい」という言葉に、とても共感、感銘を受けました。北村さんは、横浜からUターンのかえーる人でした。

  • 取材日:2017年8月25日
  • 撮影地:城下町肉処・櫓
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