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いつも楽しんで、最高の笑顔でいること

ゆのごう美春閣 

永山泉水

美作市

ゆのごう美春閣の女将 永山泉水さんにお話を聞いてきました。

 

#これからの旅館の役割
#みんなでつくりあげた商品
#何もかもが観光になる時代

index

1“元気になってもらえる”宿。ゆのごう美春閣。

丸尾

では、お話を聞かせてください。よろしくお願いします。

永山

よろしくお願いいたします。

丸尾

ゆのごう美春閣はどういった旅館でしょうか?

永山

旅館と言えば“癒し”をお客様に提供するという旅館も多いと思うのですが、美春閣はお越しいただいたお客様に“元気になってもらえる”宿を目指しています。

丸尾

旅館っていうと一番に癒しというイメージがありますよね。

永山

もちろん休んでいただきたいのですが、基本的には“パワーあふれるような感じで帰ってもらいたい”と思っています。

一番分かりやすいのが、「お食事の後はお部屋でゆっくりおくつろぎくださいね」というお宿が多いのに対して、美春閣は、8時半からロビーでビンゴゲーム大会を開催します。皆さんに「ご飯食べたらロビーに集まってね。できれば8時半に間に合うようにご飯食べ終わってね。」という感じで。「ビンゴッ!シュート!」って大きい声を出してもらえるように、できるだけMCも盛り上げています。

丸尾

一般的な旅館のイメージと違いますね。

永山

ビンゴゲームカードが当たればいいんですが、はずれた場合も1枚100円で館内で使えるようになっているんです。

変な話が(笑)、全然関係のないお客様同士がビンゴゲームで仲良くなっちゃって、その仲良くなったお客様同士がその券を使って、館内の居酒屋コーナーで一緒に飲んだりということもあります。だからお部屋でゆっくりというよりも、お部屋は寝るためのスペース。できれば、館内でいろんなことをして楽しんでもらいたいなと思っています。

皆さん一緒に温泉に入ったり、カラオケをしたり、居酒屋で飲んだり、一緒にお買い物をしたり、はたまた翌朝チェックアウトの前に館内のお庭で皆さんで記念写真撮られたり、いろんな過ごし方をしていただいています。

丸尾

ここで出会ったお客様がまた、ここで再会ということもありそうですね。

永山

ありますね。例えばツアーの団体様とかあるじゃないですか。大体ご夫婦で参加されるツアーが多いのですが、バスで来られて、宴会場でご夫婦同士並びながらお食事をした結果、仲良くなって、また同じメンバーで同じシリーズのツアーに来られることもよくあります。

丸尾

ゆのごう美春閣は、岡山県北部のいわゆる“美作三湯(みまさかさんとう)”のうち、湯郷温泉にあります。その湯郷温泉の中でも規模の大きな旅館だと思いますが、お客さんは年間どれぐらい来られるんですか?

永山

多いときで、ひと月に泊まりだけで6千名~7千名のお客様に来ていただいております。日帰り入浴やお昼休憩も受けているので、それを合わせるとひと月に1万人ぐらいのお客様に来館いただいております。

地元の方にもご利用いただけるようになってきて、毎日のようにお風呂に入りに来てくださるお客様もいらっしゃいます。ちょうどビンゴゲームの最中にお風呂から上がってきたら、お子様がビンゴゲームやりたいと言ってそのままゲームに参戦したり(笑) 。

地元のスタッフも増えてきています。そのスタッフがお友達を呼んでくれて、お友達の輪がどんどん広がってきているので、以前よりたくさんの地元の方に使ってもらえるようになってきたかなと感じています。

地元と言っても、お隣の津山市だと、まだ来られたことがないという方が正直多いと思います。なので、ゆのごう美春閣のことを知って、使ってもらえる機会がまだまだあるのかなとも考えています。

2みんなでつくり上げた“萌えキャラ”。

丸尾

女将さんキャラクターをブランドとした商品開発などもたくさんされていますよね?

永山

はい。実は私、来年(2017年)で40歳になるんですけど、この年齢にもかかわらずいわゆる“萌えキャラ”というか、ああいう可愛らしい女将キャラクターを作るっていう女将さんって多分いないと思うんですよ(笑)。だから、ネタで作ったのが一つと、萌えキャラ好きな方にも興味を持ってもらいたいと考えました。

旅館って、インターネットユーザーを大切にしなければという考えがあります。広告媒体といっても、ものすごくお金がかかることですし、さらに出せるもの、出せないものもあります。女将キャラのブランド化も企画から起ち上げまで、多くの皆さんにご意見をいただきながら作りあげました。

丸尾

ファンのみんなでつくり上げたような感じなんですね。

永山

キャラクターのファンの方も、キャラクターの新しい商品ができました、というのを広めてくださるんです。もちろんキャラクターを作ったこと自体もですが、全ての商品がそれぞれ語れる面白いネタになっているんです。

3新卒3年目から経験した、“支配人的な仕事”

丸尾

もともと永山さんは、ゆのごう美春閣の女将さんになる以前はどういったことをされていたのですか?

永山

以前もホテルマンです。生まれが大阪の堺です。堺に生まれて大阪の大学を卒業後、兵庫県のホテルに就職しました。そこが兵庫県宝塚市にある旅館でした。私の夢がホテルの総支配人だったんですね(笑)。そして就職して2ヶ月後、同じ系列でもホテル色の強い出石(いずし)にあるホテルに希望を出して異動になりました。兵庫県北部の豊岡市というところで、そばの有名な地域です。

丸尾

主にどういった業務を担当されていたのですか?

永山

新卒で入社して3年目の頃に、その企業が経営的な問題により、スタッフ社員の大部分がリストラされるということが起こりました。

丸尾

入社早々、大変なときだったんですね(驚)。

永山

私は新人だからか、なぜかたまたま残していただけたのですが、私よりも上の方が全員いなくなったんです。私もそのホテルが大好きだったので、なんとかして経営を軌道に乗せなきゃ、と“支配人的な仕事”をずっとさせていただきました。

館内の人員配置のコントロールだったり、「今月あと売上が何百万足りないから営業行ってきます!」みたいなことですとか、「もっと足りないから地元の人に協力してもらわなきゃ!」ということで、「今月末にバイキングをやりましょう!」といってチケット売りに行ったり、そういうことをさせていただいていました。

丸尾

新卒3年目の時から、経営企画や企画営業的な、そういった活動もされていたということなんですね。実は今に生きる部分がふんだんにあったという・・・

永山

ものすごくあります。その当時は、モノの原価ですとか、コピー用紙1枚がいくらだとかいう単価まで調べて企画書を作っていました。チラシを配るときに必要ですよね。何枚作ったらインク代がいくらで、というのも外注できなかった状態なので自分が作るにあたって、いくら原価がかかるかを全部出していました。

丸尾

新卒スタッフのときからそういうところに目が行くような立場で仕事ができたというのはすごく希なことだと感じます。

永山

「大変だったでしょ?」って言われるんですが、もう感謝しかないですね。

4災害時に感じた人間の行動力。

丸尾

その仕事から、どういった流れでゆのごう美春閣に来られるようになったのですか?

永山

私が前職の時に、オーナーの代理で旅行業者の全国会議に出ていたんですね。ちょうどここのオーナーである、私の夫と知り合いました。ある岡山の方の紹介で名刺交換したのがきっかけでした。

その後、当時のゆのごう美春閣のメンバーが社員旅行で来られました。そこから、私も営業マンなのでメールでお礼を伝えたりして仲良くなっていきました。いつか前職ホテルの経営を軌道に乗せて、次のオーナーに渡せるか、私がいなくても大丈夫なぐらい回るようになったら結婚しましょうね、という話になったんですね。

でもその話をした1カ月後に台風でその前職のホテルが大きな台風で被災しました。

規模の大きいホテルだったので避難場所に指定されまして、多くの方が避難してこられて、お客さんも守らなきゃいけない、という状態になりました。私たちも自分たちの旅館、ホテルは大丈夫だと思っていたんですが、近くの川の上流が決壊したみたいで、ダーッと水が流れて来たんです。

もう、車は流れてくるは、大きな鉄門が流れてくるは、の激しさでした。それでホテルのオーナーが、もう再起は無理だと判断されて、ホテルを閉めるという話になりました。

丸尾

大変なことですね。紆余曲折というか、突然というか。

永山

今でも振り返ったらよくできたなと思うんですが、停電中の真っ暗の中、救助活動をしたり、水に浸かりながら助けを求めている人を1人ずつホテルに連れて上がったり。この経験で、意外と人間は行動力があるのだと感じました。

5女将の会って、怖そうじゃないです?

丸尾

当時こちらの岡山県北にこられて、印象はどう感じられましたか?

永山

私は商人の町である堺の人間なので、必要以上にせっかちだと思うんですよ。がつがつしてるってスタッフにも言われました。女将の中でも一番がつがつしているかもしれない、って言われるぐらいなんです。(笑)

だから自分と比較してかもしれないんですが、良い意味で心にゆとりをもたれていると思います。また、田舎だと他地域の方が来たらあまり受け入れないとか言われることもあるんですけど、そんなことは感じませんでしたよ。

永山

一番分かりやすい例が“女将の会”で、なんだか怖そうじゃないですか?

丸尾

怖そうですね。なかなか入りづらいというか。

永山

世代的にはお母様たちが女将の会を仕切っていらっしゃるわけですが、意外と普通に受け入れてもらいました。女将の会の皆さんからしたら、娘よりも下手したら下ぐらいなので、若い子入ってきてくれたわ、ぐらいの感じだったのかもしれません(笑)。

6今は、何もかもが観光につながる時代。

丸尾

永山さん自身もこの旅館にとどまらず、いろんなところに出ていかれて活動をされてますよね。

永山

ちょっと前まで観光業とか旅行業っていったら、旅館とレジャー施設ぐらいの認識だったと思うんです。でも、今観光ってくくりにするとなんでもが観光になっちゃうんですね。例えば田植えや、農作業の体験だったり、全てが観光に結びつきます。ちゃんと整備されてなくても、工場見学とか職人の方の技を見ていただくとか、何もかもが観光につながります。場所もそうなんですけど、もっと人を紹介していきながら、人をつないでいく美作の国の観光にしたいなと思っています。

丸尾

観光資源というと、いろいろあると思うんですが、“この地域にしかないもの”ってこの地域の人だったりしますよね。

永山

そうなんです。素敵な場所に素敵な人がたくさんいらっしゃるのですが、スポットがあたってなかったりすることが多いと感じます。もっとみんなに見てもらおうよ、っていう声がけをしながらもっとたくさんの方に来てもらえるようにしていきたいです。

7一メディアとしての力をつけていきたい。

丸尾

このゆのごう美春閣を通して、または永山さん自身がチャレンジしていきたいことが、他にもあったら教えください。

永山

目標が三つあります。一つ目は、女将としてゆのごう美春閣を盛り上げていくこと。二つ目は地域全体を盛り上げていくこと。三つ目は自分の力でどこまで広報活動ができるかチャレンジすることです。表に出る機会が多いので、“女将”という肩書がなくても広報活動を十分にできるぐらいの力をつけていきたいと思っています。

丸尾

個人としてこの地域の魅力を発信できるような、自分イコール、メディアという考え方で広げていきたいということですね。

永山

そうですね。最初はそれこそ、軽い気持ちでブログを立ち上げて、自分でどこまでアクセス数を伸ばせるかっていうことをやってみたいなと思って。私のブログって会社のホームページから私のブログにはリンクしていません。

現在では、会社のホームページより私のブログ(ながやまいずみ☆あっぱれblog)のほうがアクセス数が多くなっていると感じています。最近は結構忙しくて、自分の思いを書くことは少なくなっているんですが、個人のブログなので、プライベートなことも書いています。自分の思いが100%お客様に認めてもらえるわけではありませんが、私に興味を持ってくださっている方にブログを見てもらえたら嬉しいですね。

丸尾

今まさに、個としてもメディア力を成長させていっているという感じですね。

永山

まだまだ足りないと思っています。今、子育てがバタバタしているので、落ち着いてきたらもっと力の出るような感じでブログを作っていきたいなと思っています。

※『ながやまいずみ☆あっぱれblog』はこちら。

8常に笑っています(笑)。

丸尾

それでは、永山さんが日頃から大切にされていることを教えてください。

永山

私、「いつも笑っているね」ってよく言われるんです(笑)。笑えなくなったら、もう女将業を辞めようと思っています。

観光業で人に楽しみを買ってもらう商売をしている以上、自分が楽しんでいないと失礼ですよね。スタッフにも「元気で頑張ってる?」って言いながら、私が笑っていないと失礼ですよね。なので、笑えなくなったらダメだなと思います。何をみても笑顔で楽しめる気持ちを、大切にしています。

いつも楽しんで、最高の笑顔でいること


「ゆのごう美春閣」くつろぎとにぎわいの本格和風旅館。湯郷温泉の高台に位置する県内最大級の温泉宿泊施設。ご年配の方から小さなお子様までお楽しみいただけます。

 

ゆのごう美春閣で募集中の求人情報。

お話を聞かせていただきありがとうございました。永山さんは日々自身をメディアとして、地域を盛り上げられる活動をされています。“人をつないでいく美作の国の観光”という言葉もとても共感しました。とても話しやすく、笑顔から元気をいただくかえーる人対談取材となりました。永山さんは、大阪出身、兵庫からIターンのかえーる人でした。

  • 取材日:2016年5月17日
  • 撮影地:ゆのごう美春閣
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